水治の学習について

水治の学習

<主な目的>
温かさや水圧の心地よさを感じて、普段入っている緊張を解きほぐす。(リラクゼーション効果)

水の浮力を利用することで、関節や筋肉にかかる体重の重みが少なくなり、体をたくさん動かすことができる。    
              ・・・などがあります。

 

 子どもたちが楽しく活動するために
○水を怖がる子どもには・・・
 教師がしっかりと抱きかかえ、体を密着させて入水しましょう1.
恐怖感を軽減できます。 

 

○水に浮いてみよう
 浮輪やカラーフロート、ヘルパー、エアレックスマットなどを使うことで、子どもが水に浮く心地よさを感じることができます。
 
    カラーフロート       ヘルパー      エアレックスマット
    

 


   活動の紹介 

(1)リラックスするための活動
 ① 背浮き(一人介助の3パターン)
 ② 背浮きでバタ足(二人介助)
 ③ エアレックスマットを利用した背浮きとバタ足
 ④ カラーフロートを使った背浮きとバタ足
(2)水中での立位の学習
(3)水中での歩行の学習


基本的に進行方向は頭の方向です!!
      赤い矢印で進行方向を示しています。


(1)リラックスするための活動
①-1   ~1人介助~(上半身支持)

 子どもの後ろから抱きかかえるように介助します。

 教師が姿勢を低くしながら後方に下がるように移動することで、子どもの体は浮きやすくなります。

 左右に揺らして進むことで股関節の緊張がゆるみます。

 できるだけ、子どもの腰や足が浮くように。

 

①-2   ~1人介助~(頭部支持)

 子どもの後ろから頭と腰部分に支持します。 教師が姿勢を低くしながら後方に下がるように移動することで、子どもの体は浮きやすいです。

 教師の胸部分に子どもの頭部をくっつけることで、姿勢が安定します。 

 この時も左右に揺らすと股関節がさらに弛みやすいです。
 

 ①-3      ~1人介助~

 頭部の「ぼんのくぼ」に両手の中指を添えるように支持します。

 そのまま、頭の方向へ進みます。頭部のみを支持して左右に揺らし進むことで、首から下の部分すべてが弛みます。

 スピードを速くすることで、体は浮きやすくなります。

 小さい子供の場合は、片手でぼんのくぼ、もう一方の手で腰を支えると、腰・足が浮きます。

 
 
     

②  ~2人介助~

  一人の教師は上半身の介助。教師の肩に子どもの頭を乗せます。背浮きと同様に、教師は姿勢を低くすることで、子どもの体を浮きやすくします。

 もう一人の教師が足を支持し、股関節から動かし、膝が曲がるようにしながらバタ足介助。

 バタ足をすることで膝、股関節の緊張が緩みます。

 

 


 

③-1  

 エアレックスマットを使うことで、まだ水がこわいお子さんも安心して水に浮くことができます。

 慣れてきたら、少しずつマットの上の水の量を増やしていきましょう。

 足首を介助して左右に揺らすと腰もゆるみます。

 
 

③-2 

 エアレックスマットを半分に折り曲げて、折り目部分に頭がくるように横になります。(そうすることで、頭が一番高い位置にくる。) 

 教師は子どもの股関節から動かし、膝が曲がるようにしながらバタ足介助。

 
 

④-1 

 カラーフロートは体に合ったものを使用しましょう。大きいと抜けてしまうし、小さいと首が締まり苦しいです。

 カラーフロートを装着したら、後部を引っ張るようにして背浮きをします。左右に揺らすのも効果的です。
 スピードを速くすることで、体は浮きやすくなります。

 

 

 

④-2 

 頭部はカラーフロートで支持され浮くので、教師はバタ足の介助をします。

 ここで重要なのは、進行方向です。バタ足をして進むのは頭の方向。

 だから足の介助をしていても進むのは頭の方向へ。将来的に泳ぐことにつながっていきます。

 

 

  

(2)水中での立位の学習

 教師の足の指(親指と人差し指)で、子どものアキレスけん部分を挟み、下へギュッと押すようにして支えます。

 その際、子どもの膝は若干曲げるようにすると、足裏が床につきやすいです。

 その姿勢で、子どもを前後左右にゆっくりと傾けつつ、体重移動が意識できるように腰を支える腕で体重がかかっている方の下肢にぎゅっと力をかける。足裏での踏みしめを意識でき、立位の安定につながります。

 介助者はプールの壁で自分の体を支えると安定した姿勢で介助できます

 

 

(3)水中での歩行の学習

 腰部分を支持し、子どもの腰をひねるように介助します。そうすることで、自然に子どもの足は前に出ます。

 前に出た足に体重が乗ることを意識できるように、腰を支える腕で体重がかかっている方の下肢にぎゅっと力をかける。

 左右の足を交互にこの動きを繰り返すことで歩行の練習をしていきます。


【水治の学習の授業風景】

 どの学年の児童生徒も週1回のペースで継続して入ることができるようにしています。

 水治の学習が好きな児童生徒も多く、みんなが楽しみにしている時間でもあります。

~主な学習内容~

(1)リラックスするための活動

(支援者により他動的に動かした場合)

 ① 教師介助の背浮き(上半身支持)

      

 ② 教師介助の背浮き(頭部支持)

      

 ③ 背浮きでバタ足 

      

 ④ エアレックスマットを利用した背浮きとバタ足

 ⑤ カラーフロートを使った背浮きとバタ足

      

 ⑥ 浮き輪を使ったバタ足

 ⑦ ビート板や腰浮きを使ったバタ足

 

 

(2)身体を動かすための活動

(児童生徒自身により自発的に動かした場合)

 ① 背浮きでバタ足 

      

 ② エアレックスマットを利用した背浮きとバタ足

      

 ③ カラーフロートを使った背浮きとバタ足 

 ④ 浮き輪を使ったバタ足

      

 ⑤ ビート板や腰浮きを使ったバタ足

        

 

(3)水中での立位や歩行の学習

 ① 踏みしめ姿勢の練習

    

 ② 手引きでの歩行練習

      

 ③ 手すりや平行棒を使った歩行練習

      

 ④ 独歩の練習