令和6年5月27日に、校内の教員を対象に行われた自立活動OJT研修「肢体不自由のある児童生徒への身体の動かし方、かかわり方の基本」(講師:秋山邦夫教諭)について紹介します。 今回は「腰回りの弛め」「躯幹弛め」を中心に、児童生徒への身体の触れ方、かかわり方について基本的なことを実際に体験しながら学習しました。児童生徒役と教師役に分かれて行った実技では、教師役が「この指を動かすよ。」などと言葉掛けしながら、丁寧にゆっくり動かすように配慮したり、児童生徒とのコミュニケーションを大切にしたりすることが大事だと分かりました。研修会に参加した教員からは、「明日からの授業に生かせそう。」、「身体を触る前に声をかけることが大切ですね。」という感想が出されました。
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自立活動の指導は、個々の児童生徒が自立を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服しようとする取組を促す教育活動であり、個々の児童生徒の課題に即して様々な指導を行っています。今回は小学部6年生の実践を紹介します。
「よく見てみよう~視線入力装置を使用した学習~」
○授業のねらい:教師の言葉掛けを聞きながら、対象となるものを見ることができる。
○取組の状況:Aさんは、小学部4年生から視線入力装置を活用しており、「①画面を見る」「②視線を動かす」「③対象を見る」「④変化が起きる」という因果関係を理解しています。星形を3秒間見ると効果音と共に星形が消えるアプリケーションでは、主体的に視線を動かしたり、教師の「もう少し上を見て。」などの言葉掛けを聞いて見る場所を修正したりする姿が見られました。画面上の星形を全て消すことができたときは、笑顔で達成感を表します。また、見ることに疲れたり課題が難しいと感じたりしたときは、画面から視線をそらし、教師と視線を合わせることで、「疲れた」「難しい」という気持ちを伝えることができるようになりました。今後は、学習で習得した「対象となるものを見る」力を活用し、「好きなものを見て選ぶ」「イラストを見て要求を伝える」など、コミュニケーション手段を広げることができるような学習を展開していきたいと思います。
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令和5年5月から10月まで、室内の温水プールで水治の学習を行いました。
水治の学習は「温かさや水圧の心地良さを感じて、身体の緊張をほぐす(リラクゼーション効果)」「水の浮力を利用することで、関節や筋肉にかかる体重の重みが少なくなり、身体をたくさん動かすことができる(身体の動き)」「水圧の影響により呼気の補助となり、呼吸が深くなり排痰が促進される(呼吸)」こと等を目的としています。
水中では背浮きや立位、歩行の練習、浮き具を使用してのバタ足の練習など、それぞれの課題に楽しく取り組みました。水治訓練の時間を楽しみにしている児童生徒も多く、陸上より身体が動きやすいため主体的に自分の身体を動かそうとする姿が見られました。
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令和5年10月23日に、校内の教員を対象に行われた自立活動OJT研修②「見え方に困難のある児童生徒の理解と支援」(講師:古川和佳子教諭、小林香奈子教諭)について紹介します。
今回の研修では、視機能(光覚、色覚、視力、視野、明暗順応)など「見る」ことや「見える」ことを構成する要素について確認したり、学習を効果的に行うための「見え方アセスメント」の方法を実際に体験したりしました。
子ども一人一人に分かりやすい環境、見えやすい教材を提示し、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を活用した体験的な学習が大切であることを学びました。
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令和5年6月19日に、校内の教員を対象に行われた自立活動OJT研修「肢体不自由のある児童生徒への身体の動かし方、かかわり方の基本」(講師:秋山邦夫教諭)について紹介します。
今回は「足首の弛め」を中心に、児童生徒への身体の触れ方、かかわり方について基本的なことを実際に体験しながら学習しました。児童生徒役と教師役に分かれて行った実技では、教師役が「この指を動かすよ。」などと言葉掛けしながら、丁寧にゆっくり動かすように配慮したり、児童生徒とのコミュニケーションを大切にしたりすることが大事だと分かりました。研修会に参加した教員からは、「足が軽くなった」「足の裏が床につく感覚が分かった」という感想が出されました。
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5月に本校の教職員を対象に行われた自立活動OJT研修の内容についてご紹介します。 ①「肢体不自由のある児童生徒への身体の動かし方、かかわり方の基本」 (講師:自立活動部 秋山邦夫)
今回は、「足首の弛め」についての研修を行いました。教師役とこども役に分かれて実技を行い、子どもの身体への触れ方、かかわり方について考える機会を作ることができました。今後、「腰回りの弛め」「躯幹の弛め」についての研修も計画しています。
②「見えにくさのある児童生徒の実態把握と支援の仕方」 (講師:自立活動部 佐川 匠)
今回の研修では、視力や、視野、色覚など「見る」ことを構成する要素を確認し、見えにくさのある児童生徒の実態把握や支援の方法について行いました。実際に見えにくさの実例や実態把握で使用する道具などを紹介しながら「見る」ことについて考える機会を作ることができました。
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水治の学習(令和3年度)
【目的】
・水あそびや泳ぐことの楽しさを体験させ、水に親しむ気持ちを育てる。
・運動機能や感覚機能の向上を図る。
・ルールを守り、水に対する安全の知識・態度を養う。
≪新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の取り組み≫
・水治訓練室は4名、更衣室は1名の利用に制限。
・指導者、監視者はマスクを着用。
・窓を開け、常時換気扇を使用。
・学習ごとに、水治訓練室内マット、シャワー周辺、更衣室等の消毒を行う。
昨年度は実施できませんでしたが、今年度は上記の感染症対策をしながら水治の学習を行ないました。一人1回という限られた時間でしたが、児童生徒それぞれが自分の目標にそって学習を行うことができました。(8月23日からまん延防止重点対策期間になり、2学期に学習を予定していた学級が実施できなかったのは残念でした。)
水の感触を味わいながら、ゆったりと身体を伸ばしたり動かしたりし、気持ちよさそうな表情や身体を動かそうと真剣な表情をする様子がみられました。「楽しかった。」「もっと入りたい!」という言葉がたくさん聞かれ、あらためて水治の学習のよさを感じました。
各学年の笑顔あふれる学習の様子をご覧ください。
小学部
中学部
高等部
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令和3年度6月21日に校内の教員を対象に行われた自立活動OJT研修「肢体不自由のある児童生徒への身体の動かし方、かかわり方の基本」(講師:井澤由香教諭)について紹介します。今回は、自立活動の課題設定や自立活動を進めるにあたって気を付ける点の説明、児童生徒への関わり方のポイントについて実技を交えた研修が行われました。以下、研修の内容を紹介します。
〈課題を設定するにあたって〉
① 児童生徒の実態をきちんと把握することが大切
② 保護者、児童生徒自身、担任の3名で何を目指すのか納得してお くことが大切
〈指導を進めるにあたって〉
① 何をねらいとして進めていくのか大きな目標を決める
② 目標を達成するためにはどのような指導を行っていく必要があるか、おおよその方向性を決める。(課題をはっきりさせる)
〈子供への関わり方〉
① 児童生徒役と教師役に分かれて実技を行いました。児童生徒役が手指を組み合わせ、教師役が「この指動かして」と模倣して見せても児童生徒役はスムーズに動かすことができませんでした。しかし、教師側が動かしてほしい指に触れながら「この指動かして」と指示することで児童生徒役はスムーズに動かすことができました。言葉だけでの説明や摸倣を交えた説明だけより、児童生徒の動かす部位に触れることでより分かりやすい指示になることを体感しました。(※児童生徒に触る際は、過敏の有無など生徒の状況を判断し、丁寧にやさしく触れるように気を付けます。)
② 児童生徒役と教師役に分かれて実技を行いました。児童生徒の体に触れて伸ばす際には、力任せに無理にゆるめたり、焦って動かしたりしないようにすることが大切だと分かりました。また、教師が児童生徒の体をゆるませているのではなく、あくまでも児童生徒自身がゆるめられるように教師は援助しているということを忘れてはならないと学びました。訓練中は児童生徒とのコミュニケーションを大切にして「そうそう」「上手だね」と声をかけ、共感することが大事だということを実技を通して感じることができました。
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「教材教具や自立活動に関わる資料について情報を提供し、活用しやすい環境を整える」 ことをねらい、年に1回教材教具展示会を行っています。本校には約200種類の教材教具があり、児童生徒の実態に合わせて使用し指導にあたっています。その中のいくつかを紹介します。
【教材教具展示会の様子】
【教材教具紹介】
☆訓練用いす
座位をとる、座位での踏みしめ、座位からの立ち上がり、つかまって膝立ち、といった活動に使用しています。高さが違うものがあるので児童生徒に合わせて使えます。座面を縦にして教師が後ろに座って補助することもできます。
☆バランスボード
上に座って左右・前後の重心移動、体幹維持、座って片足ずつの踏みしめ、といった活動に使用しています。
☆タップピアノ
立位での踏みしめに使用したり、鍵盤の上に横になり、音を出すために体を動かしたり寝返ったりする動きを引き出したりするのに使用しています。
☆電子ロールピアノ
鍵盤が柔らかく弱い力でも音が出ます。手や腕をのせて音を出したり指を動かしたりする活動に使用しています。くるくる丸めて収納でき、コンパクトでどんな場所でも使えます。
☆カスタネット式はさみ
指の力が弱くても、切ることができるはさみです。置いた状態で固定し上から手で押して切ることもできます。
☆二人用はさみ
教師が一緒に持って動きを補助して切り方を教えることができます。急に刃を動かし紙を持ってる手を切ってしまうことも防ぐことができ安全に使用できます。
☆車いす自転車
ペダルをこぐことで、股関節、膝、足首の動きをよくしたり、足の力をつけたりできます。自由に移動できる楽しさもあり、余暇活動としても使用しています。
☆エアーベッド
ベッドの上に横になり、揺らしてもらって揺れや振動を身体で感じる活動に使用しています。電動で空気が入り、教室などでも簡易に使用できます。
☆カラーフロート
首回りにつける浮き輪で、水に浮く心地よさを感じることができます。教師が頭の後ろ部分を引いて背浮きで進んだり、カラーフロートで上体を浮かせた状態で足の動きを介助したりして使用しています。
☆エアレックスマット
身体の動きの学習の際に、床に敷いて使用したり、水治の学習で、大きな浮力を活かして身体を支え、足の動きを介助するときに使用したりしています。
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自立活動の指導目標を適切に設定するため、本校では様々な方法を用いて実態把握をしています。その方法をご紹介いたします。
まずは、児童生徒の様子を注意深く観察します。
そして、5月と1月に設定している「自立活動実態把握月間」 の時期に、以下の方法を用いて実態を把握します。
『自立活動チェックリスト』 日常生活の姿勢や動作、コミュニケーション等の全体像をとらえ、系統的な指導を行うために年2回定期的・継続的に実施。 学習指導要領「自立活動 内容」の6区分27項目ごとに把握する。
『移動に関する記録』 学校生活における移動する力の実態を把握する。指導の充実と改善に役立て日常生活の充実を図るために年2回定期的・継続的に実施。
『記録写真撮影』 児童生徒がとり得る姿勢の状態の確認や動作の状況を把握するために、年2回撮影する。
これらの方法は、教師の実態把握のためだけでなく、児童生徒が、自分の努力や成長を感じて自信をもったり、友達の成長や頑張りを認め合ったりするためにも 行っています。
このような方法で把握した実態と日常の観察、指導を通して得た実態をもとに、児童生徒一人ひとりの「自立活動 個別の指導計画」を作成 し、日々の指導にあたっています。
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