研修より

令和5年度 研修部 主題研究全体研修会

 令和5年8月25日(金)に、筑波大学附属桐が丘特別支援学校前校長 下山直人氏を講師として、主題研究全体研修会を行いました。

 3つの資質・能力の育成を目指す学習の基盤となる言語能力の育成について研修し、主題研究の推進を図ることを目的として、「3つの資質・能力の育成を目指す各教科の授業づくり」をテーマにご講演いただきました。

 下山氏からは、

1)言語能力の重要性 ~これからの変化の激しい社会で子どもたちが生きていくためには、多様な人々とのかかわり          を楽しみ、自分が選択していくことにより、生活をより豊かにしていくことが望まれる。自分の意思を表しながら他者と協働していくためには言葉は重要である。そして、学習の基盤となる言語能力について、授業においてはどのような言語が働いているのか、具体的に把握することが重要である。

2)言語能力の育成 ~言語環境を整える視点をもち、正しい言葉で、正確で丁寧な文字に触れる環境を整えること。言語発達初期の児童生徒も多くいる中で、学習場面における言語環境はどう整えるか、考えていけると良い。

3)今後の取り組みに向けて ~「育てたい言語能力」はどのような検討を経て設定されているのか、明確にすると良い。例えば準ずる教育課程においては国語科の内容の活用や教師の観察情報の集約と整理をすることが有効である。また、研究のまとめ方として、特に知的代替の教育課程において「(どんな)活動を通して、(どんな)動きと(どんな)言葉がつながった」が分かるよう、指導事例を入れながらまとめることで共有しやすくなる。

  等の内容について授業事例を交えてお話いただきました。

             

                    ~参加した職員の感想~

・言語環境の整備という点について「たくさんの言葉を使うことがはたしてどうなのか」という話を聞き、自分の授業で使用する言葉の精選について再度考える必要性があると感じました。

・「国語科を要とした」ということが改めてどういうことかが分かりました。国語以外の教科で言語活動をする際に、その子の言語の発達段階をきちんと考えなければいけないと感じました。言語の精選をきちんとして授業づくりをしたいと思いました。

・言語能力育成の事例で、子どもが好きな触覚に集中してしまい、言葉入力の側面が弱くなってしまうことから、情動をコントロールする働き掛けを工夫(環境整備)したという事例がとても勉強になりました。子どもが喜んでいる。笑顔である。=良し、と評価してしまいがちだが、授業の本来のねらいを整理してアプローチすることが大切だと思いました。

・体験と言葉の結び付きを意図した言語活動を行うことができるように心がけていきたいと思います。

 今回、学んだことを日々の授業作りに生かしていきたいと思います。

 

<講演をする下山氏>

<リモートで受講する職員>