研修より

令和4年度 授業力向上研修講座

2022年8月9日 08時38分

 「高い専門性をもつ本校の教職員が講師となり研修を行うことで、教職員一人一人の授業力の向上を図る」ことを目的とし、7月26日、27日に授業力向上研修講座を開催しました。

今年度は、以下の内容の3講座を開催し、多くの教職員が研修に励みました。

①児童生徒理解:「見え方に困難を抱える児童生徒の理解と支援」

②児童生徒理解:「図工・美術の表現と、その広がり」

③ICT活用:「iPadのアプリケーションの活用方法について」

 

〈研修の様子〉

①   「見え方に困難を抱える児童生徒の理解と支援」                        

 本講座では、視覚障がいに詳しい本校の教員が講師となり、講義と演習を行いました。講義では、「「見ること」の基礎と視覚障がいについて」という内容で、見え方に困難を抱えるとはどういうことか、どのような支援が必要なのか等について、詳細な話を聞きました。演習では、「体験を通して視覚以外のアプローチを考える」という内容で、実際にアイマスクをつけ、見え方に困難を抱えた状態を体験しました。

 参加した教職員からは、「視覚障がいのある児童生徒への教材の提示の方法や教材の工夫について、改めて見直す必要があると感じた。」「見えるということは認識する上でとても大切であることが分かった。また、見えにくさを実際に体験できたことが良い経験になった。」等の感想が聞かれました。

     <講義とアイマスク体験の様子>

 「見え方~」講義

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 

 

 


 
 

 

 

 

 

 

 

 


  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

② 「図工・美術の表現と、その広がり」

 本講座では、「児童生徒の興味・関心や、障がいの程度に応じた美術教育の具体的な実践方法を学ぶ」ことを目的とし、モダンテクニックによる表現方法について学びました。制作体験では、実際に「スパッタリング」「スクラッチ」「フロッタージュ」「デカルコマニー」「コラージュ」の技法を使って、制作に取り組みました。

 参加した教職員からは、「教師が技法を理解することで、児童生徒の表現を引き出すことができると感じた。」「実態に応じたやり方が参考になった。」等の感想が聞かれました。

 

<講義と制作体験(スパッタリング・フロッタージュ)の様子>

 

 
 
 
 
 
 
 

 
 

 
 
 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③ 「iPadのアプリケーションの活用方法について」

 本講座では、「授業等、学習場面でのタブレットの活用について理解を深める」ことを目的とし、タブレットの使用方法やアプリケーションの活用について学びました。演習では、3グループ(初級、中級、上級)に分かれ、実際にタブレットを操作しながら、「アプリケーションの内容について」「動画編集について」「classroomの使い方について」を、それぞれに学びました。

 参加者した教職員からは、「授業で効率よく画像や動画を見せられるように活用したい。」「基本的で、すぐに使えそうなアプリを知ることができてよかった。」等の感想が聞かれました。

 

 <講義と演習(アプリケーション・動画編集)の様子>
 
 
 
 
 
 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

令和4年度 主題研究について

2022年8月8日 16時07分

 本校では、教師一人一人の専門性を高めるため「みんなで考え、みんなで学び、みんなで動き出す」校内研修に取り組んでいます。その中でも、授業力向上を図るために、テーマを決めて授業づくりに向けた研修を行う、主題研究について紹介します。

昨年度から以下のテーマで主題研究に取り組んでいます。

 

「3つの資質・能力の育成」を目指す学習の基盤となる「言語能力」の育成

 

「3つの資質・能力」とは、学習指導要領に示されている「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」です。その学習の基盤となる力の1つが「言語能力」です。


学習指導要領解説には、「言語能力」について以下のように記載されています。

   言葉は、児童生徒の学習活動を支える重要な役割を果たすものであり、全ての教科等における資質・能力の

   育成や学習の基盤となるものである。 


さらに、

   言語能力の向上は、児童生徒の学びの質の向上や資質・能力の育成の在り方に関わる重要な課題として

   受け止め、重視していくことが求められる。

 

との記載もあります。

「言語能力」は、情報を取り出したり、考えをまとめたり、思いを伝えたりするときに、大きな役割を果たしており、すべての児童生徒にとって、学習を積み重ねるために大切なものです。

 

主題研究を支えるそれぞれの用語と関係性

 

 学習指導要領解説には、「肢体不自由のある児童生徒は、身体の動きに困難があることから、様々なことを体験する機会が不足したまま、言葉や知識を習得していることが少なくない。そのため、言葉を知っていても意味の理解が不十分であったり、概念が不確かなまま用語や数字を使ったりすることがある。」とあります。本校の児童生徒を見ても、言葉を知っていても適切な使い方がわからない場合があります。また、常に支援を必要とすることから、受け身の姿勢になってしまい、自分から発信する力が弱い姿も見られます。そのため、言葉の意味を知って、それを使って考え、表現し、伝える力は、本校の児童生徒にとってとても大切な力だと考えます。「言語能力」つまり児童生徒の「ことばの力」を伸ばしていくことが、児童生徒の学びを深めていくために大切であり、私たちはそのための授業力を向上させていくことが必要だと考え、「言語能力」に焦点を当て、研究を進めていくこととしました。なお、本校の児童生徒にとっての「ことば」は、自分の思いを表現したり、コミュニケーションをとったりする全ての手段、つまり、話し言葉や文字だけでなく、声、表情、身振り、視線、身体の動き、絵、写真など、全ての表出を「ことば」と捉えています。

 

 昨年度の研究では、通常の教育課程のチームからは、「言語活動を意識した授業づくりを行うことができた」といった成果があがった半面、「思考意欲、伝える力をどう育てるか」「考える必要性のある学習活動をどう設定するか」といった課題があがりました。重複障がいの教育課程のチームからは、「学ぶべき内容を明確にして授業づくりをすることができた」といった成果があがった半面、「本校児童生徒の実態を踏まえた言語能力をどのように考え、育成するか」といった課題があがりました。これらの成果と課題を踏まえ、今年度は「言語能力を育む授業づくり」をテーマに、主題研究を進めることとしました。

研究の概要については以下のとおりです。

令和4年度 主題研究概要-2年次ー

 

  研究の進め方としては、通常の教育課程で3チーム、重複障がいの教育課程で15チームの合計18チームに分かれて進めています。

 1学期は、研究のキーワードである「言語能力」について全教員で確認した後、「言語能力」を育成するために、授業にどのような「言語活動」を取り入れていったらよいかをチームごとに考えました。2学期には、具体的な授業づくりをとおして、「言語能力を育む授業づくり」について考えていきます。

 児童生徒が様々な表現方法での「ことばの力」を伸ばし、豊かな生活を送れるようになることを目指し、研究に取り組んでいきます。

 

令和4年度 防災研修

2022年8月2日 09時17分

防災研修HP.pdf

令和4年度 不審者対応訓練

2022年8月2日 09時14分

不審者対応訓練HP.pdf

令和4年度 校内OJT研修

2022年7月8日 15時32分

 「専門の知識をもつ教職員による講話を聴講したり、話し合いを行ったりしながら学び合い、知識を深め、

技能を高める」ことを目的とし、校内OJT研修を開催しました。

今年度は、以下の内容の5講座を開催し、多くの教職員が研修に励みました。

①「肢体不自由のある児童・生徒への身体の動かし方、かかわり方の基本」

②「校内にあるAT(アシスティブテクノロジー)機器について」

③「緊急時の対応について」

④「ビジョン・アセスメントWAVES」の活用について

⑤「見えにくさのある児童生徒の実態把握と支援の仕方」

  講話だけでなく、実技などもあり、教職員同士で学び合うことができました。明日からの授業づくりに活かしていきたいと思います。

〈研修の様子〉

①                          

 

 

令和3年度 主題研究授業実践協議会

2022年2月21日 15時11分

主題研究授業実践協議会を行いました。

 

 令和3年11月26日(金)に、筑波大学附属桐が丘特別支援学校校長下山直人氏を指導助言者としてお招きし、「主題研究授業実践協議会」を行いました。

①提案授業を実施し、取り上げた実践について主題研究各チームで協議・共有することで、授業の改善と主題研究の推進を図る。

②実践協議会への参加を通して、外部講師からの指導助言を主題研究各グループの実践に活かし、授業実践力の向上を図る。

 この2点を目的として、午前に2つの提案授業を行い、午後の児童生徒下校後に、提案授業をVTRで視聴し、主題研究の各チームで協議・共有し、最後に下山氏から指導助言をいただきました。

 

~参加した職員の感想~

【提案授業について】

・授業を提供してくださった先生の、教材の工夫や子どもたちへの配慮を見たり授業への熱い思いを感じたりすることができ、自分自身も気持ちを引き締めて子どもたちがワクワクするような授業づくりに努めたいと感じました。

・教材の使い方、段階に迫った学習の形態が示されていて勉強になりました。

【協議について】

・協議中にたくさんのアイデアがいろんな先生から出ていて、とても勉強になりました。参考にさせていただきたいです。

・協議を通して他の先生方の子どもの行動の見取り方を知ることができ勉強になりました。

【指導助言について】

・下山先生のお話はとても分かりやすく、どのお話もとても参考になりました。学びは、教室の中だけで、できることであってはならない、生活に生かせるものであることが大切だと再確認できました。

・生活に生きる教科学習という視点や学びの基礎となる言語能力(ことばのはたらき)についての話が勉強になりました。日々の授業で心掛けていこうと思います。

・「ワクワクする活動を仕組む」⇒教科書の内容を取り入れながらも生徒の興味関心がある方法を工夫することが大切と再認識しました。

 

 今回の協議会での、職員同士での学び合い、下山氏からいただいた指導助言を生かして、子ども達へのより良い授業づくりに努めていきたいと思います。

<主題研究各チームの協議の様子>

     

令和3年度 主題研究チーム研修会

2022年2月21日 15時06分

「主題研究チーム研修会」を行いました。

 

 令和3年9月13日(月)、福島県教育センター指導主事の菅野智香子氏を講師として、「主題研究チーム研修会」をリモートで行いました。通常の教育課程の授業づくりに生かすために、言語能力の育成について研修し、主題研究の推進を図ることを目的に、『資質・能力の育成を目指す学習の基盤となる「言語能力の育成」』をテーマとして、講義形式で行いました。

菅野氏からは、主に通常の教育課程で指導している先生方を対象に、

・言語能力を構成する資質・能力の「具体的な力」

・「どの言語能力を、どの場面で、どんな言語活動で」身に付けさせるか

・言語活動で授業改善をする場面例の紹介

等をお話しいただきました。3つの資質・能力のうち、主に「思考力、判断力、表現力等」をはぐくむために、どんな言語活動をするのか、プレゼン形式で分かりやすくお話ししていただきました。

 

~参加した職員の感想~

・通常の教育課程を受ける子どもたちが対象の内容で、意欲をもって研修会に参加できまし

た。

・考えを広げ深めていくことができるようコーディネートをどのようにしていけばよいか

勉強していきたいと思いました。

・「共有させるための言語活動」を上手くとり入れてみたいと思いました。

 

 今回の研修会を良い機会として、児童生徒の言語能力の育成について考え、実践していこうとすることができました。

 

     <リモートで講義をする菅野氏>

    

令和3年度 主題研究全体研修会

2022年2月21日 14時55分

「主題研究全体研修会」を行いました。

 

 令和3年8月24日(火)に、筑波大学附属桐が丘特別支援学校校長下山直人氏を講師として、「主題研究全体研修会」を行いました。

 肢体不自由のある児童生徒の各教科の授業づくりに生かすために、3つの資質・能力の育成を目指す学習の基盤となる言語能力の育成について研修し、主題研究の推進を図ることを目的として、「育成を目指す資質・能力の明確化と言語力の育成」をテーマに、リモートでの講義形式で、小・中・高全職員を対象に行いました。

 下山氏からは、

Ⅰ新学習指導要領で何が変わるのか

Ⅱ各教科等で育成を目指す資質・能力の明確化

Ⅲ各教科の資質・能力を育む授業づくりに向けて

Ⅳ各教科等の授業で追及すべき言語能力の育成

の大きく4点の内容で、桐が丘特別支援学校での実践紹介も交えて、プレゼン形式でお話しいただきました。

 

~参加した職員の感想~

・何ができるようになるか、目的・結果志向の教育への転換などについて詳しくお話いただき大変参考になりました。

・“少人数で学ぶ際の対話”や児童が言葉で考えて言葉で表現する場を継続して計画的に学校生活に据えることを今後も考えていきたいと思いました。

・経験を整理し言葉にしていくことの大切さが分かり、実践していきたい。

・変化のはげしい社会の中で、自分で目的をもって考え、多様な他者と共同していける力をつけることができるよう日々考えていきたいと思いました。

 

 今回の研修会で得たことを、日々の授業の中で、児童生徒の言語能力を育てるために、生かしていきたいと思います。

<リモートで講義をする下山氏>         <リモートで受講する職員>

       

令和3年度 授業力向上研修講座

2021年12月6日 16時10分

令和3年度 授業力向上研修講座

 昨年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため実施できませんでしたが、今年度は感染症対策をしながら夏休みに4講座を開催しました。

 「授業力向上研修講座」は、高い専門性をもつ本校の職員が講師となって研修を行い、教職員の授業力の向上を図るものです。今回は、他校から講師を招いた講座もありました。2学期からの授業や指導に生かそうと、暑い中でしたが真剣に研修に励みました。

 

①「聞こえにくさのある児童生徒の理解と支援」

 本講座では、聴覚支援学校より講師を招いて講義をしてもらいました。「聴覚障がいとは」「聞こえにくさの体験」「学習環境や生活での配慮」等、聞こえにくさのある児童生徒の困り感について知り、その支援の仕方について疑似体験を交えながら学びました。

 参加した教職員からは、「聴覚障がいのある児童生徒への配慮について、話を聞いたことがなかったので良い機会になった。」「オージオグラムを見て細かく解説していただき、生徒の聞こえ方を理解することができた。」等の感想がありました。

 

②「スイッチ教材の製作」

 上手に気持ちを伝える方法の一助としてAT機器があります。その中でも、スイッチを使った教材として、「おにぎりVOCA」(おにぎり型の音声の録音と再生ができる装置)と「Wクリップ棒スイッチ(AT機器にはさんで取り付けることで、児童生徒の操作しやすい位置に設置できるクリップ型のスイッチ)を製作しました。銅線を繋いだり、はんだ付けをしたりなど難しい作業がありましたが、機器を完成することができました。
 参加した教職員からは、「児童生徒の学習場面で活用したい。」「子どもたちの得意な動きを活かせるスイッチを組み合わせて活用していきたい。」等の感想がありました。


③「図工・美術の表現と、その広がり」

 国・県内の「ボーダレスアート」、「アールブリュット」の現状や、スライドによる参考作品の制作過程、教材の紹介をしてもらいました。制作体験では、身近な素材を使い、水の効果を生かした墨やインク・割りばしペンを使った技法を体験しました。

 参加した教職員からは、「子どもの良さを引き出せるように、いろいろな材料の良さを見つけて使ってみたいと思いました。」「いろいろな技法があり、今回の講座を参考に準備物(可能な限りいろいろな用具)を使って授業に生かしたい。」等の感想がありました。

 


④「心身のリラクゼーション」

 「身体が弛めば心もゆるむ!」ことを目指し、動作法を通して身体の弛め方、使い方を体験しながら自立活動で生かせる指導法について研修をしました。また、側わんについての講話を聞いたり、ヨガ体験を行ったりしました。

 参加した教職員からは、「何故その動き(支え)が必要なのか分かったので、意識してできそうです。」「身体を起こさないと周りの世界が見えないということが実際体験してよくわかり、身体を起こすことの大切さを改めて知ることができました。」等の感想がありました。


 

令和3年度 主題研究の取り組みについて

2021年12月6日 15時44分

令和3年度 主題研究について

 

 本校では、一人一人の専門性を高めるため「みんなで考え、みんなで学び、みんなで動き出す」校内研修に取り組んでいます。その中でも、教員の授業力向上を図るために、テーマを決めて授業づくりに向けた研修を行う、主題研究について紹介します。今年度からは、3か年計画で以下のテーマで主題研究に取り組みます。

 

「3つの資質・能力の育成」を目指す学習の基盤となる「言語能力」の育成

 

 この「3つの資質・能力」とは、学習指導要領に示されている「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」です。

参照:文科省資料Webサイト

      学習指導要領「生きる力」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/

 私たちは、授業を通してこの3つの資質・能力の育成を目指すわけですが、その学習の基盤となる力の1つが「言語能力」です。

 学習指導要領解説には、「言語能力」について以下のように記載しています。


 言葉は,児童生徒の学習活動を支える重要な役割を果たすものであり,全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となるものである。

さらに、                                   主題研究を支えるそれぞれの用語と関係性

 言語能力の向上は、児童生徒の学びの質の向上や資質・能力の育成の在り方に関わる重要な課題として受け止め、重視していくことが求められる。

との記載もあります。

 「言語能力」は、情報を取り出したり、考えをまとめたり、思いを伝えたりするときに、大きな役割を果たしており、すべての児童生徒にとって、学習を積み重ねるために大切なものです。「言語能力」つまり児童生徒の「ことばの力」を伸ばしていくことが、児童生徒の学びを深めていくために大切であり、私たちはそのための授業力を向上させていくことが必要だと考え、「言語能力」に焦点を当て、研究を進めていくこととしました。

 

 研究の進め方としては、準ずる教育課程で3チーム、重複障がいの教育課程で16チームの合計19チームに分かれて、以下のように進めています。

 

 <主題研究概要>

 1学期は、研究のキーワードである「言語能力」について全教員で確認し、「言語能力」を育成する視点から、本校の強みや課題を整理したり、年間指導計画をもとに児童生徒が学ぶ内容を確認したりしました。2学期には、具体的な授業づくりをとおして、「言語能力」の育成について考えていきます。

 児童生徒が様々な表現方法での「ことば」の力を伸ばし、豊かな生活を送れるようになることを目指し、研究に取り組んでいきます。