研修より

【研修部】令和7年度 研修部 主題研究の取組

2025年9月17日 15時52分

 本校では、教師一人一人の専門性を高め授業力の向上を図るために主題研究テーマを設定し、教員同士の学び合いをもと、授業づくりに取り組んでいます。

 今年度の主題研究のテーマは、昨年度から引き続き、

「『3つの資質・能力の育成』を目指す学習の基盤となる『情報活用能力』の育成」

となっています。本テーマは3か年で計画されており、今年度は2年次となります。

 はじめに、「3つの資質・能力」とは、学習指導要領に示されている「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力、人間性等」であり、その学習の基盤の1つが、「情報活用能力」です。「情報活用能力」は、パソコン機器やタブレット端末の操作ばかりではなく、情報そのものを適切かつ効果的に活用する力も含まれています。つまり、情報機器を操作する力や、情報を取捨選択して活用する力、プログラミング的に段取りする力、情報モラルやセキュリティについて理解し、情報に向き合う力を高めていくことは、将来の生活や希望の実現に向けて不可欠であると考えられています。本校の児童生徒にとっても、主体的に「情報」を扱えるようになることは必要です。そこで、実態を捉え、効果的な学習場面を設定し、情報活用能力の育成を図ることを目指し、本テーマを設定しました。

 昨年度の先生方の反省より、「情報活用能力にかかわる児童生徒の実態把握ができた。」、「児童生徒の情報を活用する力を高めていきたい。」、「情報活用能力の観点を取り入れた各教科等における授業実践をしていきたい。」といった積極的な意見から、「情報活用能力の捉え方が難しい。」、「どのように情報活用能力を育成していけばよいのだろう。」といった不安な意見もありました。そこで、昨年度実態把握した児童生徒の情報活用能力をもとに教科における課題を明らかにし、課題解決につながるよう観点を明確にした学習内容を設定した授業づくりをすることで、児童生徒の情報活用能力が育まれ、さらには、深い学びにつながるのではないのかと考えられます。

 研究の概要については以下の通りです。

R7 主題研究概要

<主題研究概要図> 

 研究は、準ずる教育課程で3チーム、知的教科代替の教育課程で13チームの合計16チームに分かれて進めています。

 1学期は、昨年度同様、「情報活用能力の体系表【例】」をもとに本校研修部が作成した「情報活用能力チェックシート」を使い、児童生徒の実態についてチームごとに共通理解を図るとともに、情報活用能力の観点についても理解を深め合うところから始めました。そして、2学期の授業実践に向けて、児童生徒の目指す姿や課題について明らかにし、単元(題材)計画の中に「課題の設定、情報収集、整理・分析、まとめ・表現、振り返り・改善」といった観点を組み込んで、授業づくりについて話し合いを深めていく計画です。

 2学期は授業実践となります。単元(題材)計画の中に観点を組み込んだことで児童生徒の目指す姿にたどり着くことができたか、検証授業と追跡授業をとおして仮説を検証していきます。本研究を通して、児童生徒が情報を活用しながら問題を発見・解決したり、自分の考えを形成したりしながら、自分の世界を広げ、豊かな生活を送ることができるようになってほしいと考えます。