研修より

研修より

令和元年度 主題研究実践報告会

 1月27日(月)、主題研究の各グループで取り組んできた研究実践を報告し、一年間の取り組みを振り返るとともに、教職員間での情報の共有化を図る機会として、主題研究実践報告会を行いました。全15グループでそれぞれ取り組んできた研究内容についてプレゼンテーションで報告し合いました。

~報告の一例~
小学部算数科①グループの研究実践
〇研究テーマ
 「目の前で隠されたものを探すことができるようになるための算数科の授業づくり」
〇仮説
 児童Aの興味のあるボールを用いて、一部分が隠れたり見えたりするボールを教師と一緒に取って遊ぶ経験を積み重ねる。ボールの見える部分を少しずつ減らしていくことで、ボールが見えなくなっても存在し続けることに気付いたり、ボールを取るための支援を少しずつ減らしていくことで、自分で行動を起こしてボールを探したりするようになるのではないか。
〇(想定する)主体的な学びの姿
・音が鳴るボールに気付いて、手を伸ばして取ろうとする姿
〇(想定する)対話的な学びの姿
・教師が鳴らすボールの音を聴いて視線を向ける姿
・教師がビニールを取ったり被せたりする様子に注目し、両手を叩いてボールを要求する姿
〇(想定する)深い学びの姿
・段ボールを倒して、見えづらくなった教師やボールをより見ようとする姿
・教師がビニールを取る手本を示した後、自分でビニールに手を伸ばす姿
〇学びの姿を引き出すために設定した学習場面
・いないいないばあ遊び
・ボール探し
〇仮説の検証(実際に見られた行動)
・一瞬、全体像が見えない時間があっても、手を伸ばすことができた。
・ほんの一部分の提示で、手を伸ばすことができた。
・教師の手本を見た後、自分でビニールを取ることができた。
〇成果(児童Aの成長)
・教師や友達がいる方向に振り向いたり、目で追いかけたりするようになった。
・相手の顔を見て要求するようになった。
・音への反応が良くなり、振り向いたり、視線を向けたりするようになった。

 

~各グループの報告を聞いた先生方の感想~
・(小学部算数科①グループの報告について)大好きな物を教材に、3つの学びの姿がよく表れた研究でした。子どもの小さな表出を見逃さず、代弁し、積み上げていくことは大切だと改めて思いました。
・(小学部体育科①グループの報告について)3観点の子どもの姿を具体的に分かりやすく設定していて、先生方も共有しやすかったように思えました。深い学びの姿がよく見えていました。
・(小学部体育科②グループの報告について)子どもの実態、手立て、行動の読み取り等、教員同士が共通理解のもと進めているのが素晴らしいと思いました。教材・補助具もとても参考になりました。
・(中学部・高等部数学科グループの報告について)生徒自身が具体物で考えるように教材を改善したり、深い学びの姿を引き出すために、生活に数が生かせる場面を設定するなどしたりしていて、大切な工夫だと感じました。
・(中学部・高等部理科グループの報告について)身近な食品を題材にすることで、より学びが深まったことが分かりました。実際に経験することで、記憶にも残るでしょうね。
・(中学部・高等部国語科グループの報告について)生徒の実態に配慮した教材の工夫やかかわりの中での提示の仕方、表出の読み取りなど丁寧で細やかな学習が進められていて良かった。

   

令和元年度 主題研究授業実践協議会

 11月8日(金)、菅井裕行氏(宮城教育大学教授)をお迎えして主題研究授業実践協議会を行いました。本年度の主題研究重点目標「『主体的・対話的で深い学び』の視点を取り入れた授業改善を考える」を小学部、中学部から1つずつ事例を挙げて、協議を行いました。

 小学部からは重複障がい者等関する教育課程の図画工作科の授業として「児童が身近な人や物をイメージして描くことができるようになるための学習指導について」をテーマに事例が提案されました。中学部からは重複障がい者等関する教育課程の数学科の授業として「数を量としてとらえることが難しい生徒に対しての、指導内容や支援の仕方」をテーマに事例が提案されました。

菅井氏からは、
小学部の事例については「児童が『どの程度』見えているのかという実態把握をしっかりしていくことが必要。視野が狭ければ近くのものは見えづらくなる。児童が顔を紙にいっぱいに描いていたのはなぜなのかを考える必要がある。」「認知面においては〇△□の弁別ができるのか。□は角が4つあることを理解しているが、麻痺があることで再現性が低いのか。理解できていないのか。といったことをきちんと実態把握することが大切である。」と助言をいただきました。
中学部の事例については、「生徒の『見え』『聞こえ』の実態把握がとても重要である。教師が話した言葉がどれくらい本人に通じているのか確認することが必要。」「数の分解の理解についてはブロックの操作は枠のない状態できちんとできるかが重要である。」「数の基本は数えられること。教師と一緒に声や指差しで数えることで数の理解の土台ができる。」「数という概念は極めて抽象的である。生活の中で活用できるようになるためには数そのもののみを理解することが必要である。具体物は数以外の情報を持たせてしまうためできる限り無地のブロック(教材)を使用していくようにしていくことが必要であると考える。」と助言をいただきました。

~参加者の感想~

小学部の事例について
〇図工を提供授業にあげていただいたことがとても良かった。日々の授業で、児童が主体的に学べる図工の授業を考えていく際の参考となった。

〇児童の形の認識の程度についてしっかり実態把握し、部分的な造形、描画から広げていくことを考えて授業を組み立てていきたい。

中学部の事例について
量を理解するためにはブロックを縦に積み上げることで多小がとらえやすくなるのではないか。

〇中学部の数学の内容は、分解とは何か、児童の理解度はどうかを判断する際には、周りの先生方のご意見を参考にする必要があると感じることができた。

 

令和元年度 授業力向上研修講座

令和元年度 授業力向上研修講座

 毎年、夏休みの時期に行われる「授業力向上研修講座」は、高い専門性をもつ本校の教員が講師となって研修を行い、教職員の授業力の向上を図るものです。今年度は5講座を開催し、2学期からの授業や指導に生かそうと、暑い中、真剣に、また和やかに研修に励みました。

 

①「水治の学習について」

 水中ならではの身体の弛め方を知ることにより、児童生徒が主体的に身体を動かすことができるようにしていくことがこの講座の目的です。映像を見て、どのように支援するかを学んだ後、実際に水中で体感しました。互いに児童生徒役を交代することで、どのように身体を支えたらよいか、何をねらって活動するかを意識することができました。また、カラーフロート、エアレックスマットなどの用具の使い方も体験しました。

②「スイッチ教材の制作」

 上手に気持ちを伝える一助としてAT機器があります。講座では、おにぎりVOCAとWクリップ棒スイッチを製作しました。はんだ付けなどの難しい作業もありましたが、2時間で2つの機器が完成!製作後には、どのような場面で活用したらよいか、グループで話し合いました。参加者からは「子ども達が、自分でできた!と感じることができる教材を工夫したい」「機器の活用について話し合い、アイデアの共有ができてよかった」などの感想が聞かれました。

③「見えにくさのある児童生徒の支援方法」

 講義では、「見ること」の基本と実態把握、さらには「見ること」に困難を抱えるということはどういうことなのか、についての話を聞き、後半は、アイマスクを着けて動いたり触ったりといった演習を行いました。また、タブレットPCやスマートフォンなどで使用できる「見え方紹介アプリ」「色のシュミレーター」というアプリで、見えにくい児童生徒がどのように見えているかを確認する方法も紹介されました。「見えにくい子どもは、経験、記憶、予測でものを見ているということがわかった」「視力で判断せず、子どもの実態からアプローチして支援することが重要だと感じた」「視覚の発達には、身体の活動が大きく関わっていることに気づかされた」など、参加者からたくさんの感想が寄せられました。

④「ドライポイントの制作」

毎年好評の美術に関するこの講座、今年は「ドライポイント」の制作を行いました。絵や写真をアクリル版の下に敷き、ニードルを用いて輪郭線上に傷をつけて版を作り、プレス機で印刷します。お気に入りの写真や自分の好きな漫画のキャラクターを見ながら真剣に作業に取り組む先生たち。出来あがると「うわー、いいよ」「きれいに刷れたね」と歓声があがりました。参加者からは「何度も挑戦し、改善することで納得のいくまでやることは大切だと思った」「生徒同士の気づき合い、学び合いができる環境づくり、橋渡しをしたい」という感想が聞かれました。出来あがった作品は、美術室の前の廊下に展示してありますので、どうぞご覧ください。

⑤「心身のリラクゼーション」

身体の動きの学習の中で「児童生徒が安心して身体をゆだねているかな?」
「この方法は、はたして正しいのだろうか。もっと良い方法があるのでは。」などの悩みは誰しもが思うこと。実技を行いながら、どんな姿を目指すのかを明確にした取り組み、その方法について研修しました。
「生徒の視野、受け取りに十分に配慮したかかわり、生徒が身体を意識して取り組める動作の導きに気をつけて今後の指導にあたりたい」「力加減など、自分が体験することでよくわかった」などの感想とともに、身体のリラクゼーションを体感し、心も体もゆるりとなった先生達の表情が印象的でした。

令和元年度 主題研究全体研修会

主題研究全体研修会

演題「肢体不自由のある子どもたちの『主体的・対話的で深い学び』の実現を目指した授業づくり」

 5月13日(月)、川間健之介氏(筑波大学教授)を講師としてお招きして、主題研究全体研修会を行いました。今年度の主題研究の推進に当たり、新学習指導要領を踏まえた肢体不自由のある子どもたちの「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた各教科の授業づくりにおける基本的な考え方について、全職員を対象にご講演をいただきました。

〈講演受講者の感想〉
○3観点での授業づくりの考え方と評価について、勉強になりました。
○「主体的に学習に取り組む態度」の評価についての部分について、勉強になりました。
○教科学習が重視されてきている中、とても勉強になりました。自立活動中心の学級も教科を行う場面が増えてきているので、学習指導要領を確認しながら目標等を設定し、授業を進めていきたいです。
○主体的・対話的で深い学びの実践において、教科の学習を通じて3観点で授業を実践する必要性を学びました。日々の授業の根拠が学習指導要領のどの部分であるのかを整理して、示せるようにしたいです。

 

令和元年度 主題研究

令和元年度 主題研究


「3つの資質・能力の育成を目指す各教科の授業づくり」
~自立活動の視点を踏まえた指導目標、単元構成、評価の在り方を考える(2年次)~
  重点事項:「主体的・対話的で深い学び」の視点を取り入れた授業改善を考える

 今年度は3カ年計画の2年次研究として、重点事項を「『主体的・対話的で深い学び』の視点を取り入れた授業改善を考える」とし、これまでの手続きで授業づくりを行いながら、各教科の「見方・考え方」を踏まえた児童生徒の「深い学び」の姿を明確にし、その実現に向けた単元構成や指導方法について実践研究を進めています。研究の流れとしては以下の通りです。

1「実態表」の作成

 ↓

2「Lシート」の作成

 ↓

3学習指導案の作成

 ↓

4 研究テーマ・仮説の設定(※現時点での取り組み)

 ↓
5 研究授業(実施・振り返り・追跡授業への改善策の検討)

 ↓

6 追跡授業(実施・振り返り・今後の取組への検討)

 ↓

7 仮説の検証、研究の成果と課題についての考察

 ↓

8 主題研究実践報告会(各グループの研究実践について報告しあう)


  
 小学部6グループ、中学部と高等部を合わせた9グループの計15グループを編成し、各教科の授業を研究対象としました。小学部では、「算数」、「図工」、「体育」を2グループずつ、中・高等部では「国語」「算数」を2グループずつ、「社会」「理科」「英語」「体育」「職業(高等部)」を1グループずつ、研究対象の教科として取り上げています。学習指導要領を基に、それぞれの単元や題材の中で育成を目指す3つの資質・能力を踏まえた指導目標と指導内容を設定し、追跡型研究授業を実施し、「Lシート」や「実態表」で指導目標や指導内容の妥当性を検討しています。今年度はさらに、「どのように学ぶか」に焦点を当て、学習指導案の作成時や、追跡型研究授業を実施する中で、「主体的・対話的で深い学び」の視点から学習過程の改善をしていくことで、本校児童生徒がより良く3つの資質・能力を身に付け、学習内容を深く理解することを目指しています。

 

平成29年度 主題研究授業実践協議会

今年度の主題研究の取り組みについて、各学部で1事例ずつ提案授業を実施し、外部講師として宮城教育大学教授 菅井 裕行先生を招聘し、指導・助言をいただきました。

 

授業実践協議会では、授業者の自評を受けて、菅井先生と授業者との対話形式で協議を行い、ご助言をいただきました。
   

★中学部の提案授業について以下に紹介いたします。

 

〈グループテーマ〉

「困っている」「分かってほしい」という思いを相手に伝えるための方法を身に付けるための支援の在り方について

 

〈菅井先生と授業者との対話より〉

・なぜ声に出すことが難しいのか、状況を見ていくことや、声に出すことができるまでのプロセスを大切にする。

 喋れない→声に出せない→緊張している→そのことに気付く→教師が待つ→共感する

 

・本人の「本当は、もっと言いたい」思いを大切にし、授業だけでないインフォーマルな場面においても、教師とのやりとりを大切にしていく。

・考えを引き出そうとすればするほど、本人にとっては辛くなってしまったり、緊張が強くなってしまったりする。

→緊張するのは当たり前ということを本人が理解したり、自分を客観視したりすることが大切である。

 

・緊張がなくなることが望ましいが、本人のできることを生かして伝えることや、周りが理解することと本人の努力の両方の視点が大切である。

    

授業者はもちろん、フロアで井先生と授業者との対話を聞いている先生方にとっても、大変有意義な研修となりました。

他の研究グループについても研究授業及び事後検討を終え、これから今年度の主題研究の取り組みのまとめに入っていきます。


「平成29年度 主題研究」

主題研究テーマ「各教科・自立活動の視点を踏まえた授業づくり」

   重点事項:教科における学習習得状況及び自立活動における実態を踏まえた授業づくり

 

 今年度は二年次の研究として、児童生徒の教育的ニーズに応じた授業実践を目指し、必要な各教科の内容が、「どこまでできているのか」「どこでつまずいているのか」といった学習習得状況及び、自立活動の内容を基にした実態を丁寧に整理した上で、各教科と自立活動の視点を踏まえ、授業の根拠を明確にした授業づくりについて実践研究を行っています。

 

本校では以下の流れで研修を進めています。

 

個別の指導計画をもとにした実態把握

 「実態表」を用いた教科における学習習得状況及び自立活動における実態の把握と、指導場面の決定

必要な各教科の内容が、「どこまでできているのか」、自立活動における視点から「どこでつまずいているのか」を明らかにしていく。

 

実態表」はこちらです。(各類型に応じて、異なる実態表を使用します。)

       中学部Fグループの研修の様子です。

    

本グループでは、上記の実態表を用いて、自立活動の視点を大切にしながら実態把握をした後、生徒の学習の様子を映したVTRを視聴し、「今できていること」、「半年でできそうなこと」「将来できそうなこと」といった視点から、生徒の学習習得状況と目指す姿について、より細かく実態把握をしました。

 

教育的ニーズに応じて必要な各教科、自立活動の内容からとらえた具体的な指導目標・指導

内容の設定及び必要な手立て・工夫点について、

それらを可視化することができるLシート」を有効に活用しながら、明らかにしていきま

す。

Lシート」はこちらです。

(各教科、各教科等を合わせた指導、自立活動といった指導形態ごとに各教科と自立活動の捉え方を整理し、Lシート使い分けています。)




 「Lシート」と学習指導要領を用いて十分な話し合いを行い、生徒の学習習得状況と学習の順序性を踏まえ、妥当性のある適切な指導目標の設定と根拠を明確にした授業づくりへとつなげることができればと感じます。

今後は、授業の仮説やテーマ、学習指導案を基にした目標や指導内容、手立てについて検討し、研究授業を行ったのち、事後検討会にて授業評価仮説検証追跡授業考察といった流れでグループごとに研修を深めます。
 これからの主題研究の取り組みについても、再度詳細をupしますので、そちらも是非ご覧ください。





「主題研究実践報告会(1月23日)」

 研究主題    「各教科・自立活動の視点を踏まえた授業づくり」

             〜L字型の学習構造で捉える授業づくり〜

 1月23日に本校体育館において、平成28年度主題研究実践報告会を行いました。

 各教科、医ケア、訪問教育などA~Oの計15グループが、研究テーマ及び研究仮説に基づき、それぞれ約15分間の発表を行いました。

 各グループでLシートを用いて行ってきた学習の根拠を明確にした授業づくり、そして授業研究や検討会を通してまとめてきた一年間の児童生徒の学びの成果と今後の課題を伝え合い、共有することができる場となりました。


 その後、発表を聞いた先生方は、感想や気づいたこと、アドバイスなどを「いいね!メモ」に記入し、研究グループ内で回覧し共有しました。


★1つのグループの研究発表について、以下に紹介致します。

 ◎研究テーマ YES,NOを自ら発信する力を育てるための手立ての工夫」   (自立活動)

仮説 教師が生徒の聴覚や視覚、触覚等を活用しながら、学習を継続して行い、分かりやすい状況を作り、生徒自らの発信を待つ姿勢でのかかわりを大切にすることで、生徒が自分の意思を相手に適切に伝える経験を積み、自分の思いをより分かりやすく相手に表出できるようになるのではないか。


○発表を聞いた先生方の感想
「いいね!メモ」にて)

 ・「YES,NO」の表出の意味づけと実態の適切な把握、教師が変化を見
  極める目を養う必要性など、様々な点に気づかされました。

 ・生徒の「見やすさ」についてよく配慮されており、分かりやすく、使いやす
  い教材を用いていると感じました。また、自分から「伝えたい」という気持
  ちをもって学習に取り組めたのではと思います。

 ・黒いボードに白枠にした画像、色などを併せて提示するなど、工夫して
  いた点がとても参考になりました。         

 ・課題で述べていた「かかわりの少ない人と積極的にかかわる」ためには
  どうすればよいのか、私自身も考えさせられる良い機会となりました。