研修より

研修より

令和5年度医療的ケアサポート会議

8月24日(木)に令和5年度医療的ケアサポート会議が行われました。

年に1回開催され、学校における保健管理体制の整備及び地域における保健・医療・福祉・労働機関等の連携とバックアップ体制の構築を図ることを目的として行っています。

医療関係者(救命救急士を含む)、保健・福祉関係者、労働関係者、保護者、本校職員が参加し、以下の内容について情報共有、意見交換を行いました。

 1 報告

    ・ 本校における医療的ケアの実施状況報告

2 協議

 ・ 安心、安全な医療的ケア実施のための環境整備

 ・ 医療的ケアを必要とする児童生徒の新規申請に伴う保護者の付き添いについて

令和5年度 研修部 主題研究全体研修会

 令和5年8月25日(金)に、筑波大学附属桐が丘特別支援学校前校長 下山直人氏を講師として、主題研究全体研修会を行いました。

 3つの資質・能力の育成を目指す学習の基盤となる言語能力の育成について研修し、主題研究の推進を図ることを目的として、「3つの資質・能力の育成を目指す各教科の授業づくり」をテーマにご講演いただきました。

 下山氏からは、

1)言語能力の重要性 ~これからの変化の激しい社会で子どもたちが生きていくためには、多様な人々とのかかわり          を楽しみ、自分が選択していくことにより、生活をより豊かにしていくことが望まれる。自分の意思を表しながら他者と協働していくためには言葉は重要である。そして、学習の基盤となる言語能力について、授業においてはどのような言語が働いているのか、具体的に把握することが重要である。

2)言語能力の育成 ~言語環境を整える視点をもち、正しい言葉で、正確で丁寧な文字に触れる環境を整えること。言語発達初期の児童生徒も多くいる中で、学習場面における言語環境はどう整えるか、考えていけると良い。

3)今後の取り組みに向けて ~「育てたい言語能力」はどのような検討を経て設定されているのか、明確にすると良い。例えば準ずる教育課程においては国語科の内容の活用や教師の観察情報の集約と整理をすることが有効である。また、研究のまとめ方として、特に知的代替の教育課程において「(どんな)活動を通して、(どんな)動きと(どんな)言葉がつながった」が分かるよう、指導事例を入れながらまとめることで共有しやすくなる。

  等の内容について授業事例を交えてお話いただきました。

             

                    ~参加した職員の感想~

・言語環境の整備という点について「たくさんの言葉を使うことがはたしてどうなのか」という話を聞き、自分の授業で使用する言葉の精選について再度考える必要性があると感じました。

・「国語科を要とした」ということが改めてどういうことかが分かりました。国語以外の教科で言語活動をする際に、その子の言語の発達段階をきちんと考えなければいけないと感じました。言語の精選をきちんとして授業づくりをしたいと思いました。

・言語能力育成の事例で、子どもが好きな触覚に集中してしまい、言葉入力の側面が弱くなってしまうことから、情動をコントロールする働き掛けを工夫(環境整備)したという事例がとても勉強になりました。子どもが喜んでいる。笑顔である。=良し、と評価してしまいがちだが、授業の本来のねらいを整理してアプローチすることが大切だと思いました。

・体験と言葉の結び付きを意図した言語活動を行うことができるように心がけていきたいと思います。

 今回、学んだことを日々の授業作りに生かしていきたいと思います。

 

<講演をする下山氏>

<リモートで受講する職員>

 

         

令和5年度 研修部 主題研究の取り組み

 本校では、教師一人一人の専門性を高めるために「みんなで考え、みんなで学び、みんなで動き出す」校内研修に取り組んでいます。その中でも、授業力の向上を図るために、テーマを決めて授業づくりに向けた研修を行う、主題研究について紹介します。

 

一昨年度から、以下のテーマで主題研究に取り組んでいます。

 

「3つの資質・能力の育成」を目指す学習の基盤となる「言語能力」の育成

 

「3つの資質・能力」とは、学習指導要領に示されている「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」です。その学習の基盤となる力の1つが「言語能力」です。

 

学習指導要領解説には、「言語能力」について以下のように示されています。

 

言葉は、児童生徒の学習活動を支える重要な役割を果たすものであり、全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となるものである。

 

さらに

 

言語能力の向上は、児童生徒の学びの質の向上や資質・能力の育成の在り方に関わる重要な課題として受け止め、重視していくことが求められる。

 

との記載もあります。

 

「言語能力」は、情報を取り出したり、考えをまとめたり、思いを伝えたりするときに、大きな役割を果たしており、全ての児童生徒にとって、学習を積み重ねるために大切なものです。

 

図[主題研究を支えるそれぞれの用語と関係性]

 

 学習指導要領解説には、「肢体不自由のある児童生徒は、身体の動きに困難があることから、様々なことを体験する機会が不足したまま、言葉や知識を習得していることが少ない。そのため、言葉を知っていても意味の理解が不十分であったり、概念が不確かなまま用語や数字を使ったりすることがある。」とあります。本校の児童生徒を見ても、言葉を知っていても適切な使い方がわからない場合があります。また、常に支援を必要とすることから、受け身の姿勢になってしまい、自分から発信する力が弱い姿も見られます。そのため、言葉の意味を知り、それを使って考え、表現し、伝える力は、本校の児童生徒にとってもとても大切な力だと考えます。「言語能力」つまり児童生徒の「ことばの力」を伸ばしていくことが、児童生徒の学びを深めていくために大切であり、私たちはそのための授業力を向上させていくことが必要だと考え、「言語能力」に焦点を当て、研究を進めていくことにしました。なお、本校の児童生徒にとっての「ことば」は、自分の思いを表現したり、コミュニケーションをとったりする全ての手段、つまり、話し言葉や文字だけではなく、声、表情、身振り、視線、身体の動き、絵、写真など、全ての表出を「ことば」と捉えています。

 

 昨年度の研究では、準ずる教育課程チームからは、「『目指す姿』『育てたい言語能力』『取り入れたい言語活動』を明確にして授業づくりを行ったことで、理解力や表現力の向上が見られた」といった成果があがった一方、「児童生徒同士の協働的な学び合いの場をどのように設定するか、どのような支援が必要か」といった課題があがりました。知的教科代替の教育課程チームからは、「児童生徒にとっての『ことば』とは何かを考え、『ことば』について整理し、共通理解を図ることができた」「言語環境、言語活動をより意識して授業づくりを行うことができた」といった成果が上がった一方、「言語活動の充実に向け、児童生徒が伝える(表出する)だけではなく、児童生徒同士や児童生徒と教師が伝え合うことができるような学習活動をどのように設定するか、どのような支援や手立てが有効か」といった課題があがりました。これらの成果と課題を踏まえ、今年度は「言語活動の充実に向けた授業づくり」をテーマに課題研究を進めることにしました。

 

研究の概要については以下の通りです。

図[主題研究推進計画]

 

 研究の進め方としては、準ずる教育課程で3チーム、知的教科代替の教育課程で15チームの合計18チームに分かれて進めています。

 

 1学期は、チームごとに研究教科を決め、「ことば」について共通理解を図りました。そこから、「目指す姿」「育てたい言語能力」「取り入れたい言語活動」を明確化し、有効な支援や手立てについて話し合いました。2学期は、具体的な授業づくりや実践を通して、有効と思われる支援や手立てを検証し、「言語活動の充実に向けた授業づくり」について考えていきたいと思います。

 

 児童生徒一人一人が「ことば」の力を伸ばし、様々な表現方法で周囲とコミュニケーションを取りながら豊かな生活を送れるようになることを目指し、研究に取り組んでいきます。

令和5年度 不審者対応訓練

 7月24日(月)に不審者対応訓練が行われました。郡山北警察署のスクールサポーターや警察官の方に来校していただき、学校現場での防犯やさすまたの使用方法について実演を交えながら講話をいただきました。

 また、授業中に不審者が校内へ侵入した想定で、児童生徒や自分自身を守る方法や警察が到着するまでの初期対応の訓練を行いました。

令和5年度 校内OJT研修

 「専門の知識をもつ教職員による講話を聴講したり、話し合いを行ったりしながら学び合い、知識を深め、技能を高める」ことを目的とし、校内OJT研修を開催しました。

 

1学期は以下の3講座を開催し、多くの教職員が研修を行いました。

 

①    「キャリア教育について」

 キャリア教育について大切にしたいことや疑問点などを、少人数のグループに分かれて話し合いました。

目の前の児童生徒へのかかわり方について、多くのヒントを得ることができました。

 

②    「校内にあるAT(アシスティブテクノロジー)機器について」

 校内にあるAT機器について話を聞きました。説明を聞いた後に、実物に触れたり操作したりしたことで、

授業への生かし方を知ることができました。

 

③    「肢体不自由のある児童・生徒への身体の動かし方、かかわり方の基本」

 児童生徒へのかかわり方や身体の弛めについて、実技を行いながら話を聞きました。教育の場である学校で、

私たちができることについて、具体的に知ることができました。