研修より

2021年12月の記事一覧

令和3年度 授業力向上研修講座

令和3年度 授業力向上研修講座

 昨年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため実施できませんでしたが、今年度は感染症対策をしながら夏休みに4講座を開催しました。

 「授業力向上研修講座」は、高い専門性をもつ本校の職員が講師となって研修を行い、教職員の授業力の向上を図るものです。今回は、他校から講師を招いた講座もありました。2学期からの授業や指導に生かそうと、暑い中でしたが真剣に研修に励みました。

 

①「聞こえにくさのある児童生徒の理解と支援」

 本講座では、聴覚支援学校より講師を招いて講義をしてもらいました。「聴覚障がいとは」「聞こえにくさの体験」「学習環境や生活での配慮」等、聞こえにくさのある児童生徒の困り感について知り、その支援の仕方について疑似体験を交えながら学びました。

 参加した教職員からは、「聴覚障がいのある児童生徒への配慮について、話を聞いたことがなかったので良い機会になった。」「オージオグラムを見て細かく解説していただき、生徒の聞こえ方を理解することができた。」等の感想がありました。

 

②「スイッチ教材の製作」

 上手に気持ちを伝える方法の一助としてAT機器があります。その中でも、スイッチを使った教材として、「おにぎりVOCA」(おにぎり型の音声の録音と再生ができる装置)と「Wクリップ棒スイッチ(AT機器にはさんで取り付けることで、児童生徒の操作しやすい位置に設置できるクリップ型のスイッチ)を製作しました。銅線を繋いだり、はんだ付けをしたりなど難しい作業がありましたが、機器を完成することができました。
 参加した教職員からは、「児童生徒の学習場面で活用したい。」「子どもたちの得意な動きを活かせるスイッチを組み合わせて活用していきたい。」等の感想がありました。


③「図工・美術の表現と、その広がり」

 国・県内の「ボーダレスアート」、「アールブリュット」の現状や、スライドによる参考作品の制作過程、教材の紹介をしてもらいました。制作体験では、身近な素材を使い、水の効果を生かした墨やインク・割りばしペンを使った技法を体験しました。

 参加した教職員からは、「子どもの良さを引き出せるように、いろいろな材料の良さを見つけて使ってみたいと思いました。」「いろいろな技法があり、今回の講座を参考に準備物(可能な限りいろいろな用具)を使って授業に生かしたい。」等の感想がありました。

 


④「心身のリラクゼーション」

 「身体が弛めば心もゆるむ!」ことを目指し、動作法を通して身体の弛め方、使い方を体験しながら自立活動で生かせる指導法について研修をしました。また、側わんについての講話を聞いたり、ヨガ体験を行ったりしました。

 参加した教職員からは、「何故その動き(支え)が必要なのか分かったので、意識してできそうです。」「身体を起こさないと周りの世界が見えないということが実際体験してよくわかり、身体を起こすことの大切さを改めて知ることができました。」等の感想がありました。


 

令和3年度 主題研究の取り組みについて

令和3年度 主題研究について

 

 本校では、一人一人の専門性を高めるため「みんなで考え、みんなで学び、みんなで動き出す」校内研修に取り組んでいます。その中でも、教員の授業力向上を図るために、テーマを決めて授業づくりに向けた研修を行う、主題研究について紹介します。今年度からは、3か年計画で以下のテーマで主題研究に取り組みます。

 

「3つの資質・能力の育成」を目指す学習の基盤となる「言語能力」の育成

 

 この「3つの資質・能力」とは、学習指導要領に示されている「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」です。

参照:文科省資料Webサイト

      学習指導要領「生きる力」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/

 私たちは、授業を通してこの3つの資質・能力の育成を目指すわけですが、その学習の基盤となる力の1つが「言語能力」です。

 学習指導要領解説には、「言語能力」について以下のように記載しています。


 言葉は,児童生徒の学習活動を支える重要な役割を果たすものであり,全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となるものである。

さらに、                                   主題研究を支えるそれぞれの用語と関係性

 言語能力の向上は、児童生徒の学びの質の向上や資質・能力の育成の在り方に関わる重要な課題として受け止め、重視していくことが求められる。

との記載もあります。

 「言語能力」は、情報を取り出したり、考えをまとめたり、思いを伝えたりするときに、大きな役割を果たしており、すべての児童生徒にとって、学習を積み重ねるために大切なものです。「言語能力」つまり児童生徒の「ことばの力」を伸ばしていくことが、児童生徒の学びを深めていくために大切であり、私たちはそのための授業力を向上させていくことが必要だと考え、「言語能力」に焦点を当て、研究を進めていくこととしました。

 

 研究の進め方としては、準ずる教育課程で3チーム、重複障がいの教育課程で16チームの合計19チームに分かれて、以下のように進めています。

 

 <主題研究概要>

 1学期は、研究のキーワードである「言語能力」について全教員で確認し、「言語能力」を育成する視点から、本校の強みや課題を整理したり、年間指導計画をもとに児童生徒が学ぶ内容を確認したりしました。2学期には、具体的な授業づくりをとおして、「言語能力」の育成について考えていきます。

 児童生徒が様々な表現方法での「ことば」の力を伸ばし、豊かな生活を送れるようになることを目指し、研究に取り組んでいきます。