研修より

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令和4年度 主題研究実践協議会

「主題研究授業実践協議会」令和4年11月25日(金)

講師:筑波大学附属桐が丘特別支援学校 前校長  下山直人氏

   郡山市総合教育支援センター   指導主事 吉田明史氏

 

令和4年11月25日(金)上記の先生方を指導助言者としてお招きし、「主題研究授業実践協議会」を行いました。

①提案授業を実施し、取り上げた実践について主題研究各チームで協議・共有することで、授業の改善と主題研究の      

 推進を図る。

②実践協議会への参加を通して、外部講師からの指導助言を主題研究各グループの実践に活かし、授業実践力の向上

 を図る。

 

 この2点を目的として、午前に3つの提案授業を行いました。午後に提案授業をVTRで視聴し、協議・共有し、下山氏、吉田氏からそれぞれ指導助言をいただきました。最後に、下山氏から「言語能力を育むための授業づくり」というテーマで全体講話をいただきました。

 

 下山先生からの助言(全体講話、「高等部:職業科」「中学部:国語科」の指導助言より)

〇各教科等で目指す資質・能力を育む上で「言語活動」の充実は素晴らしい着眼点である。

〇「育てたい言語能力」を明確にするためには、子どもの習得状況を丁寧に把握することが大切である。

〇言葉の習得状況から教科書を元に、子どもにあった単元を作る(単元を開発する)こと。

〇基盤となる言語能力を育みつつ、各教科の特質を生かした言語活動の充実を図ること。

 

 吉田先生からの助言(「小学部:体育科」の指導助言より)

〇学校体育の目標として「豊かなスポーツライフを実現する」とあり、そのために「言語活動」の充実は重要な視点である。

〇作戦会議等の話し合いの場では、チーム内で「共通の目標」をもつことが大切である。

(今回は試合に勝つという共通の目標があった。)

〇心理的・物理的距離の近さや情報の視覚化など、子ども達が安心して話し合うことができる場の設定や教材の工夫 

 をすること。

〇さらに言語能力を高めていくためには、様々な活動の中で感情や感性の共有をすることが大切である。

 

 参加者からの感想

〇“ことば”が頭に残るように、動作を加えることも大切ですが、より強いイメージ付けができるよう精選して結び付け 

 を行うことが必要だと分かりました。

〇国語科は言葉(言語)が教材であり、教師が授業で使う言葉を精選し、クリアに何度も伝えることが大切というお

 話がとても参考になりました。

〇頭の中にどう「言葉」を刻むか、どう呼び起こすかという下山先生のお話を聞き、丁寧に授業をつくり指導してい

 きたいと改めて思いました。

〇体育の側面について知ることができ、新鮮でした。

 

<各チームの協議の様子>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<指導助言の様子~下山氏~>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<指導助言の様子~吉田氏~>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回の協議会での職員同士での学び合い、下山氏、吉田氏からいただいた指導助言を生かして、

よりよい授業づくりに努めていきたいと思います。

 

 

第2回避難訓練

 10月17日(月)に今年度の第2回避難訓練がありました。今回は、1階調理室から出火したという想定で、校庭へ避難しました。新型コロナウイルス感染症の拡大により、全児童生徒が一斉に行う訓練は、今年度初めての実施でした。また、地面が平らではない校庭への避難でしたが、児童生徒は教師の話をよく聞き、落ち着いて訓練に取り組むことができました。

            

令和4年度 授業力向上研修講座

 「高い専門性をもつ本校の教職員が講師となり研修を行うことで、教職員一人一人の授業力の向上を図る」ことを目的とし、7月26日、27日に授業力向上研修講座を開催しました。

今年度は、以下の内容の3講座を開催し、多くの教職員が研修に励みました。

①児童生徒理解:「見え方に困難を抱える児童生徒の理解と支援」

②児童生徒理解:「図工・美術の表現と、その広がり」

③ICT活用:「iPadのアプリケーションの活用方法について」

 

〈研修の様子〉

①   「見え方に困難を抱える児童生徒の理解と支援」                        

 本講座では、視覚障がいに詳しい本校の教員が講師となり、講義と演習を行いました。講義では、「「見ること」の基礎と視覚障がいについて」という内容で、見え方に困難を抱えるとはどういうことか、どのような支援が必要なのか等について、詳細な話を聞きました。演習では、「体験を通して視覚以外のアプローチを考える」という内容で、実際にアイマスクをつけ、見え方に困難を抱えた状態を体験しました。

 参加した教職員からは、「視覚障がいのある児童生徒への教材の提示の方法や教材の工夫について、改めて見直す必要があると感じた。」「見えるということは認識する上でとても大切であることが分かった。また、見えにくさを実際に体験できたことが良い経験になった。」等の感想が聞かれました。

     <講義とアイマスク体験の様子>

 「見え方~」講義

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 

 

 


 
 

 

 

 

 

 

 

 


  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

② 「図工・美術の表現と、その広がり」

 本講座では、「児童生徒の興味・関心や、障がいの程度に応じた美術教育の具体的な実践方法を学ぶ」ことを目的とし、モダンテクニックによる表現方法について学びました。制作体験では、実際に「スパッタリング」「スクラッチ」「フロッタージュ」「デカルコマニー」「コラージュ」の技法を使って、制作に取り組みました。

 参加した教職員からは、「教師が技法を理解することで、児童生徒の表現を引き出すことができると感じた。」「実態に応じたやり方が参考になった。」等の感想が聞かれました。

 

<講義と制作体験(スパッタリング・フロッタージュ)の様子>

 

 
 
 
 
 
 
 

 
 

 
 
 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③ 「iPadのアプリケーションの活用方法について」

 本講座では、「授業等、学習場面でのタブレットの活用について理解を深める」ことを目的とし、タブレットの使用方法やアプリケーションの活用について学びました。演習では、3グループ(初級、中級、上級)に分かれ、実際にタブレットを操作しながら、「アプリケーションの内容について」「動画編集について」「classroomの使い方について」を、それぞれに学びました。

 参加者した教職員からは、「授業で効率よく画像や動画を見せられるように活用したい。」「基本的で、すぐに使えそうなアプリを知ることができてよかった。」等の感想が聞かれました。

 

 <講義と演習(アプリケーション・動画編集)の様子>
 
 
 
 
 
 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

令和4年度 主題研究について

 本校では、教師一人一人の専門性を高めるため「みんなで考え、みんなで学び、みんなで動き出す」校内研修に取り組んでいます。その中でも、授業力向上を図るために、テーマを決めて授業づくりに向けた研修を行う、主題研究について紹介します。

昨年度から以下のテーマで主題研究に取り組んでいます。

 

「3つの資質・能力の育成」を目指す学習の基盤となる「言語能力」の育成

 

「3つの資質・能力」とは、学習指導要領に示されている「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」です。その学習の基盤となる力の1つが「言語能力」です。


学習指導要領解説には、「言語能力」について以下のように記載されています。

   言葉は、児童生徒の学習活動を支える重要な役割を果たすものであり、全ての教科等における資質・能力の

   育成や学習の基盤となるものである。 


さらに、

   言語能力の向上は、児童生徒の学びの質の向上や資質・能力の育成の在り方に関わる重要な課題として

   受け止め、重視していくことが求められる。

 

との記載もあります。

「言語能力」は、情報を取り出したり、考えをまとめたり、思いを伝えたりするときに、大きな役割を果たしており、すべての児童生徒にとって、学習を積み重ねるために大切なものです。

 

主題研究を支えるそれぞれの用語と関係性

 

 学習指導要領解説には、「肢体不自由のある児童生徒は、身体の動きに困難があることから、様々なことを体験する機会が不足したまま、言葉や知識を習得していることが少なくない。そのため、言葉を知っていても意味の理解が不十分であったり、概念が不確かなまま用語や数字を使ったりすることがある。」とあります。本校の児童生徒を見ても、言葉を知っていても適切な使い方がわからない場合があります。また、常に支援を必要とすることから、受け身の姿勢になってしまい、自分から発信する力が弱い姿も見られます。そのため、言葉の意味を知って、それを使って考え、表現し、伝える力は、本校の児童生徒にとってとても大切な力だと考えます。「言語能力」つまり児童生徒の「ことばの力」を伸ばしていくことが、児童生徒の学びを深めていくために大切であり、私たちはそのための授業力を向上させていくことが必要だと考え、「言語能力」に焦点を当て、研究を進めていくこととしました。なお、本校の児童生徒にとっての「ことば」は、自分の思いを表現したり、コミュニケーションをとったりする全ての手段、つまり、話し言葉や文字だけでなく、声、表情、身振り、視線、身体の動き、絵、写真など、全ての表出を「ことば」と捉えています。

 

 昨年度の研究では、通常の教育課程のチームからは、「言語活動を意識した授業づくりを行うことができた」といった成果があがった半面、「思考意欲、伝える力をどう育てるか」「考える必要性のある学習活動をどう設定するか」といった課題があがりました。重複障がいの教育課程のチームからは、「学ぶべき内容を明確にして授業づくりをすることができた」といった成果があがった半面、「本校児童生徒の実態を踏まえた言語能力をどのように考え、育成するか」といった課題があがりました。これらの成果と課題を踏まえ、今年度は「言語能力を育む授業づくり」をテーマに、主題研究を進めることとしました。

研究の概要については以下のとおりです。

令和4年度 主題研究概要-2年次ー

 

  研究の進め方としては、通常の教育課程で3チーム、重複障がいの教育課程で15チームの合計18チームに分かれて進めています。

 1学期は、研究のキーワードである「言語能力」について全教員で確認した後、「言語能力」を育成するために、授業にどのような「言語活動」を取り入れていったらよいかをチームごとに考えました。2学期には、具体的な授業づくりをとおして、「言語能力を育む授業づくり」について考えていきます。

 児童生徒が様々な表現方法での「ことばの力」を伸ばし、豊かな生活を送れるようになることを目指し、研究に取り組んでいきます。

 

令和4年度 校内OJT研修

 「専門の知識をもつ教職員による講話を聴講したり、話し合いを行ったりしながら学び合い、知識を深め、

技能を高める」ことを目的とし、校内OJT研修を開催しました。

今年度は、以下の内容の5講座を開催し、多くの教職員が研修に励みました。

①「肢体不自由のある児童・生徒への身体の動かし方、かかわり方の基本」

②「校内にあるAT(アシスティブテクノロジー)機器について」

③「緊急時の対応について」

④「ビジョン・アセスメントWAVES」の活用について

⑤「見えにくさのある児童生徒の実態把握と支援の仕方」

  講話だけでなく、実技などもあり、教職員同士で学び合うことができました。明日からの授業づくりに活かしていきたいと思います。

〈研修の様子〉

①                          

 

 

令和3年度 主題研究授業実践協議会

主題研究授業実践協議会を行いました。

 

 令和3年11月26日(金)に、筑波大学附属桐が丘特別支援学校校長下山直人氏を指導助言者としてお招きし、「主題研究授業実践協議会」を行いました。

①提案授業を実施し、取り上げた実践について主題研究各チームで協議・共有することで、授業の改善と主題研究の推進を図る。

②実践協議会への参加を通して、外部講師からの指導助言を主題研究各グループの実践に活かし、授業実践力の向上を図る。

 この2点を目的として、午前に2つの提案授業を行い、午後の児童生徒下校後に、提案授業をVTRで視聴し、主題研究の各チームで協議・共有し、最後に下山氏から指導助言をいただきました。

 

~参加した職員の感想~

【提案授業について】

・授業を提供してくださった先生の、教材の工夫や子どもたちへの配慮を見たり授業への熱い思いを感じたりすることができ、自分自身も気持ちを引き締めて子どもたちがワクワクするような授業づくりに努めたいと感じました。

・教材の使い方、段階に迫った学習の形態が示されていて勉強になりました。

【協議について】

・協議中にたくさんのアイデアがいろんな先生から出ていて、とても勉強になりました。参考にさせていただきたいです。

・協議を通して他の先生方の子どもの行動の見取り方を知ることができ勉強になりました。

【指導助言について】

・下山先生のお話はとても分かりやすく、どのお話もとても参考になりました。学びは、教室の中だけで、できることであってはならない、生活に生かせるものであることが大切だと再確認できました。

・生活に生きる教科学習という視点や学びの基礎となる言語能力(ことばのはたらき)についての話が勉強になりました。日々の授業で心掛けていこうと思います。

・「ワクワクする活動を仕組む」⇒教科書の内容を取り入れながらも生徒の興味関心がある方法を工夫することが大切と再認識しました。

 

 今回の協議会での、職員同士での学び合い、下山氏からいただいた指導助言を生かして、子ども達へのより良い授業づくりに努めていきたいと思います。

<主題研究各チームの協議の様子>

     

令和3年度 主題研究チーム研修会

「主題研究チーム研修会」を行いました。

 

 令和3年9月13日(月)、福島県教育センター指導主事の菅野智香子氏を講師として、「主題研究チーム研修会」をリモートで行いました。通常の教育課程の授業づくりに生かすために、言語能力の育成について研修し、主題研究の推進を図ることを目的に、『資質・能力の育成を目指す学習の基盤となる「言語能力の育成」』をテーマとして、講義形式で行いました。

菅野氏からは、主に通常の教育課程で指導している先生方を対象に、

・言語能力を構成する資質・能力の「具体的な力」

・「どの言語能力を、どの場面で、どんな言語活動で」身に付けさせるか

・言語活動で授業改善をする場面例の紹介

等をお話しいただきました。3つの資質・能力のうち、主に「思考力、判断力、表現力等」をはぐくむために、どんな言語活動をするのか、プレゼン形式で分かりやすくお話ししていただきました。

 

~参加した職員の感想~

・通常の教育課程を受ける子どもたちが対象の内容で、意欲をもって研修会に参加できまし

た。

・考えを広げ深めていくことができるようコーディネートをどのようにしていけばよいか

勉強していきたいと思いました。

・「共有させるための言語活動」を上手くとり入れてみたいと思いました。

 

 今回の研修会を良い機会として、児童生徒の言語能力の育成について考え、実践していこうとすることができました。

 

     <リモートで講義をする菅野氏>